明治神宮大会2日目、亜細亜大が八戸学院大に7-0で8回コールド勝利し準決勝に勝ち進んだ。九里亜蓮投手、嶺井博希捕手の4年生のほか、山崎康晃投手、藤岡裕大選手、北村祥治選手もレベルの違いを見せた。
エース
九里亜蓮投手は昨年、尊敬していた東浜巨投手の有終の美の舞台を消してしまった事を後悔していた。昨年11月、ドラフト会議で4球団が1位指名した東都の大エースだった東浜巨投手が初戦の福岡大戦で1-0の完封勝利を挙げて勝ちあがる。続く準決勝の桐蔭横浜大戦は九里亜蓮投手が先発し、6回まで無失点を続けた。しかし7回、ピンチを背負うと2点タイムリーヒットを浴びて2失点し、これで亜大の2012年は幕を閉じ、東浜巨投手は大学では日本一を手にする事ができなかった。
あれから1年、東都を負け無しで勝ち上がった九里亜蓮投手は、昨年散ったこの舞台で最高の輝きを放った。ストレートは145km/hを記録し、鋭いスライダーでどんどん三振を奪っていく。いつもは打たせて取るストレートもスライダーもキレが素晴らしく、三振を奪える球になっていた。3点差が付いた5回以降も打たせて取るピッチングと要所で三振を奪うピッチングで、7回を投げて3安打12奪三振1四死球で無失点、エースとなった自分が、昨年の自分を乗り越えた。
広島ドラフト2位の実力も十分見せてくれた。そして東浜投手が手にできなかった大学日本一を掴みプロへと羽ばたく。
ストレート11球で3者三振
8回は来年のドラフト1位候補・山崎康晃投手が登板する。リーグ戦では気持ちの緩みを監督に指摘され、先発2番手からも外され、ベンチ入りメンバーからも外された事もあった。しかし日米大学野球でリリーフとして最優秀投手賞を獲得した右腕は、冷えた神宮球場に火を灯してくれた。
148km/hを連発しストレート11連投で3人の打者を三振にしとめた。他の球種も遊び球も必要ない。信頼を失いかけている監督に見せ付けるように、まさしく圧巻のピッチングを見せた。来年のドラフト1位は間違いなく、1位指名競合の可能性もあると見られる。
つながる打線
亜細亜大は強力な主軸は存在しない。打って繋いで得点を奪うチームだ。この日も1番・藤岡裕大選手、2番・北村祥治選手の2年生内野手コンビが共に5打数3安打で出塁すると、4番の中村篤人選手が2打点、5番の横浜DeNAドラフト3位・嶺井博希捕手が4打数3安打で1打点と確実に得点を奪った。
結局8回までに7点を奪い7-0でコールド勝利、地方の大学の躍進が伝えられる中で、中央の大学の実力の高さを示した。
大学の部では、亜大と明大が準決勝に進出。亜大は広島ドラフト2位の九里亜蓮投手(くり・あれん=4年)が7回3安打無失点、12奪三振と好投し、8回コールド勝利を決めた。
亜大・九里が奪三振ショーで貫禄を示した。初回先頭からの5者連続を含め、7回まで毎回の12K。「リーグ戦で立ち上がりが悪い試合が多かったので、しっかり3人で抑えることを意識しました」と笑顔を見せた。広島1位の九州共立大・大瀬良が、侍ジャパン入りして台湾戦で好投。「同期なので負けたくない気持ちはあります」とライバル心を燃やした。
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