福岡大の唐仁原志貴投手が今季初登板、プロ12球団のスカウトが視察に訪れたものの、5回に押し出しで失点するなど4回2/3で3失点という内容に不調を口にした。
3失点KO
唐仁原志貴投手は184cmの大型左腕で、球速は130km/h台だが空振りが取れる回転の良いストレートが持ち味の投手。これまで大学野球選手権や明治神宮大会でも関東の大学などを相手に結果を残して注目されている。
この日もプロ12球団のスカウトが視察に訪れるなど、最終学年となる唐仁原投手の投球に期待が集まったが、この日のストレートは134km/h、変化球の制球にも苦しみ、九州大を相手に4回に2失点、5回には押し出しの四球を与えた所で降板した。
4回2/3を投げて3安打3失点(自責点2)という内容に唐仁原投手は、「最後の年で今までやってきたことを出したかったが、力が入りすぎた。まだ本調子ではないので、リーグ戦の中で上げていきたい」とコメントしている。
プロの指名は
184cmの大型左腕という事もあり、それだけでもスカウトは注目したくなる逸材だが、大学1年秋に亜細亜大戦で3回で5奪三振という快投を見せて以来、そのストレートのキレに注目されている。ただし球速は最速でも143km/h、球の回転が落ちる時にはすぐに降板する試合も見られた。
球の回転で勝負する投手は、その時の状態によって力押しで勝負したりという事ができず、投げてみないとわからないという所もある。またその球の回転も、フォームの微妙なバランスで投げられているような所もあるようで、フォームをいじったり、体が成長したりすると急にその球が投げられなくなったりもする。
埼玉西武の大石達也投手も、大学時代は140km/h前半のストレートでも面白いように空振りが奪えており、6球団から1位指名を受けた。しかし大学時代もリリーフでしか結果を残せず、プロ入り後はあの頃のストレートが投げられていない。プロの打者も少々回転が良くても球速はそこそこならば、そのストレートに合わせるのかもしれない。
その意味でも今年の投球で、球速を上げて力押しもできるような投手になるのか、回転の良い球を安定して投げるようになるのか、どのような形で成長したのかをスカウトは確認したかったのだが、この日の投球ではそれを評価する事はできなさそうだ。
まずは本来のピッチングができるようになる事で、そこまで辿り着かなければドラフト会議で指名する事は難しいかもしれない。少なくともスカウトで評価は分かれるだろう。
轟木投手が7回11奪三振
それでも福岡大は唐仁原投手をリリーフした3年生の轟木達也投手が好投を見せると打線も9回に同点に追いつき、延長12回にサヨナラで勝利した。轟木投手は延長12回までの7回1/3を投げて2安打11奪三振で1失点(自責点0)という内容だった。
轟木投手は177cmの右腕だが最速147km/hの速球を投げる速球派投手で、宮崎の鵬翔高校時代から注目されて、高校3年時には宮崎日大で福岡ソフトバンクにドラフト1位指名された武田翔太投手と投げ合い1-0で勝利している。
腕を大きく回して投げるフォームが気になるものの、九州屈指の速球派投手として注目されそうだ。
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