プロ注目選手対決、敦賀気比・平沼翔太選手が制す、平沢大河選手はプロへ行ける器

高校野球ドラフトニュース 2015年ドラフトニュース

 おそらく今大会で県岐阜商の高橋純平投手に続く投手と言えば、敦賀気比の平沼翔太投手と仙台育英の佐藤世那投手と言う事になる。その二人が対戦した。

平沼翔太投手

 平沼投手はテンポの良い投球で主軸以外には得意のスライダーと130km/h前半から中盤のストレートを外角に集め、8つの三振を奪った。そして凄かったのはプロ注目の平沢大河投手への投球で、平沢選手が好きなインコース低めに140km/h台のストレートを投げ込む。そして外角に沈む変化球を織り交ぜた。平沢選手もインコースの厳しい球に粘りを見せたが、4打数1安打に抑えた。

 変化球のキレ、コントロールもあり、総合的にレベルの高い投手だった。最速は141km/h、9回を投げて5安打8奪三振で1死球1失点、平沼投手がベスト8に勝ち進んだ。

 

佐藤世那投手

 昨年秋に肩を痛めて春もあまり投げられていなかった事もあり、初戦は完封したものの5つの四死球を出すなど苦しんだ佐藤世那投手だったが、この日は最速143km/h、常時130km/h後半を記録する力のある投球を見せた。

 5回はヒットと四球で2失点したものの、その他のイニングはランナーを背負いながらも粘って抑えた。8回を投げて5安打8奪三振4四死球で2失点、まだ納得はしないかもしれないが、さすがの力を見せた。

 平沼投手と佐藤選手、力では佐藤選手の方が上に見えた。力強いストレートがあり、フォークボールをワンバウンドで叩きつけても空振りを奪った。一方、制球力では平沼投手が上、小さく曲がるスライダーをストライクゾーンぎりぎりに投げ込んで三振を奪った。

 まさに甲乙つけがたいのだが、プロと言う事になると、二人とももうワンランク上の部分が欲しいと思った。

平沢大河選手

 平沢選手は今大会は不調だったと言える。初戦は5打数1安打でその1安打も当たりそこないの打球が一二塁間にとんだものだった。そしてこの日も平沼投手のインコースと外角に沈む球のコンビネーションに苦しんだ。9回にようやくヒットが出たものの強引に引っ張って詰まりながらセカンドの頭を越えるもので、ジャスミートというものではなかった。

 しかし、第1打席の粘りはさすがだった。平沼投手の140km/hのストレートがインコース低めギリギリに入ってくるが、それを体の軸を残したままインコースをさばきファールで粘る。簡単に打ち取られる打者ではない事を見せた。それでも簡単に三振を獲られたり、インコースを脇を開いて強引にさばくような所も見られ、粗さも感じさせた。

 守備でも3回には横っ跳びで追いついたものの無理な体勢から投球して大きく悪送球、やや判断ができていなかった。しかし、それは平沼選手の高い身体能力があるからでもある。この日は何度か守備機会があったが、7回の3アウト目のショートゴロは、三遊間のゴロに回り込み、ステップした投げた送球は、ファーストの頭の上まで意図を引くように伸びてアウトを奪った。

 明治神宮大会でも難しい当たりを無理な体勢から送球し、ややそれた送球をファーストがランナーにタッチしてアウトにした場面があった。肩や体の動きなど身体能力は一級品であることは間違いなく、ドラフトでも中位あたりで指名されるだろう。

 憧れているという仙台育英の先輩・上林誠知選手も3年生の時は苦しんだ。それでも2013年のドラフト4位で福岡ソフトバンクに指名されている。平沢選手も身体能力のアピールはプロのスカウトに十分伝わっていると思う。これから夏にかけては高校野球の最後に向けて、もっと謙虚に、確実にプレーしても良いと思う。

 

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 「投げ合いは楽しかった。絶対に勝ちたかった」。プロ注目右腕同士の白熱の投手戦。平沼は1安打完封した奈良大付戦の勢いのまま、最速141キロの直球で内角を突き、鋭いスライダーで凡打の山を築いた。8回1死一、二塁では佐藤世から三振を奪ったが「あそこは三振を狙ってました」。ライバルを封じ込み、胸を張った。

 5回以外は無失点。最速143キロの直球と球速、落差の異なる2種類のフォークを軸に8三振を奪った。それだけに「ちゃんと集中していれば、あそこに投げていなかった」と唯一の失投を猛省。

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