木更津総合の4番遊撃手・檜村篤史選手が鋭い当たりのホームランを放った。1年生で甲子園に出場した期待の大型遊撃手は、これが公式戦初ホームランだった。
今まで感じた事のない当たり
檜村篤史選手は2013年の夏の甲子園で、1年生ながらショートのレギュラーとして出場した。180cmの大型遊撃手で打撃でも5番を任せられるなど、期待の高い選手だった。しかし、それからは伸び悩んだと言える。2年時にはあまり名前も聞かれず甲子園出場も逃していた。そして公式戦でホームランを1本も打てていなかった。
昨年秋も公式戦、練習試合でホームランは0本、しかし公式戦の打率は.395を記録し9打点を挙げた。4番としてチームを関東ベスト4に導き、2度目の甲子園出場を決めた。
この日は3回に同点においついて、2アウト1,3塁のチャンスで打席に入ると、真ん中インコース寄りのストレートを振り抜き、レフトスタンドに低い弾道で飛び込むホームランを放った。「今まで感じたことない当たり。凄くうれしい」と話し、高校での公式戦初ホームランを喜んだ。
その後の打席は2つの四球と勝負を怖がられた。やはり4番打者はホームランがあると迫力を増す。公式戦ではホームラン1本の4番だが、甲子園の1本は印象が大きくただの1本ではなさそうだ。
スカウトの評価高く
この日も多くのスカウトが視察に訪れた。檜村選手について中日の石井スカウトは「体に力がある。普通はファウルになる感じだったが、打ち方が良かったので切れなかった」と話すと、福岡ソフトバンクの永山チーフスカウトは「将来が楽しみな選手」、横浜DeNAの吉田スカウト部長も「バッティングはいいものを持っている。素材としては面白い。夏まで見ていきたい」と話した。
北海道日本ハム・山田スカウト顧問は、「右と左で違うが、体つきや雰囲気が高校時代の鳥谷に似ている」と鳥谷選手の名前を上げた。また地元千葉ロッテの松本編成統括は「打てる内野手はなかなかいない。走攻守のバランスがある。伸びしろは十分。魅力ある選手」と話した。
180cmの遊撃手はそれだけで注目される所がある。守備で特に目立つ動きがある訳でもなくホームランもまだ少ない。しかしなんとなく「大学、社会人に進んで実績を積んでから」というよりも、「高校から直接プロ入りして鍛え上げたい」と思わせる雰囲気を感じさせる。
これからの活躍でその可能性はますます高くなりそうだ。
「甲子園という場所で打てたのはうれしいです。気持ちよかった。今まで感じたことがない感覚でした」普段はシャイな男が、興奮気味に振り返った。
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