甲子園春夏連覇の島袋洋奨投手ががドラフト5位でプロ入り、一人残された控室から会見場へ

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 毎年、ドラフト会議では話題になりそうな選手がいる。今年は京都大の田中英祐投手であり、そして中央大の島袋洋奨投手だった。興南高校で春夏連覇を達成した投手が、九州に帰って復活を見せる。

栄光からの4年

 会見場が用意された中央大学、そこに先に登場したのは東北楽天に3位で指名されたチームメイトの福田将儀選手だった。控室で共にドラフトの行方を見ていたチームメイトが会見場に向かい、島袋投手は一人残されていたという。

 沖縄の興南高校で春夏連覇をした投手は、当時のドラフト会議ではプロ志望すれば2位前後で指名されると上位での評価だった。しかしその2年前に沖縄尚学でセンバツ優勝投手となった東浜巨投手は亜細亜大に進み、東京の大学に進む流れもあった。大学4年間でドラフト1位の投手になるという思いがあったはずだ。

 大学では1年生でローテーションに入る活躍を見せ、亜大の3年生でエースとして君臨していた東浜投手と共に注目された。しかし2年春の開幕の東洋大戦、寒い中で延長15回226球を一人で投げ、肘を故障してしまう。それから復活を目指すと最速150km/hを記録するなど成長を見せたものの、3年秋は2勝6敗、そして4年生になると、ストライクを取るのも苦労するようになっていた。

 

プロへの想い

 プロ入りへの強い想いを持って大学に進んだ。そして4年間が経ち、指名されるかどうかわからないという状況でドラフト会議を迎えた。「どんな評価でもプロに挑戦したかった」と話す。

 名前は結局福岡ソフトバンクの5位で呼ばれた。多くの球団が6位7位で指名を終わらせる中で、福岡ソフトバンクの最後の指名でギリギリと言うところだった。それでも島袋投手はプロに入団する権利を得た。

 福岡ソフトバンクは地元九州のチーム、そしてそこには沖縄で、東都リーグで追い続けた東浜巨投手がいる。東浜巨投手もプロ入り後は苦しんでいる。共に共通する想いを持っていると思い、共に輝いた時のピッチングを取り戻したいと思っている。

 一人残された控室から涙を見せながら会見場へと島袋投手が向かう。ドラフト上位候補だった選手がドラフト5位でギリギリでプロ入りする事になったが、その会見場に立った今、島袋投手は先に指名された他の選手と同じスタートラインに並んだ。

 沖縄・興南高で甲子園大会の春夏連覇を果たした中大の島袋は、ソフトバンクからの5位指名に涙を流して喜んだ。肘痛や制球難に苦しみ、大学4年間の通算成績は12勝20敗。不安の中で提出したプロ志望届が実り「不調の悩みを吹き飛ばしてでも挑戦したいという思いが強かった」と吉報をかみしめた。

島袋、涙の5位 西日本スポーツ紙面 2014/10/24

 

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