北海道日本ハム・山田GMが退任、スカウト顧問に

北海道日本ハムドラフトニュース

 北海道日本ハムは、2007年からGMを務めた山田正雄氏が退任する意思を伝えた。1996年にスカウトとなると2004年にはダルビッシュ有投手を単独1位で獲得し、2007年からはGMとして中田翔選手、斎藤佑樹投手、菅野智之投手、大谷翔平投手といった選手を果敢に1位指名した。

たたき上げのGM

 GM職としては阪神や中日、横浜DeNAは元監督経験者、巨人はフロント出身者が務めている。山田GMは元プロ野球選手だが2年間でユニフォームを脱ぎ、下着メーカーの営業マンとして働いていた。1996年に北海道日本ハムに誘われてスカウトとなると、2007年にダルビッシュ有投手を指名する。

 ダルビッシュ投手は甲子園でノーヒットノーランを達成するなど中学時代から注目された投手だったが、練習の姿勢などを気にするスカウトも多かった。しかし山田GMは試合中のベンチ内やチェンジの時の仕草や動きを見て問題ないと判断し、単独での1位指名に成功、ダルビッシュ投手は球界を代表するエースとなりメジャーでも活躍している。

 このような実績が買われて、2007年にチームを優勝させた高田繁GMから託されGMに就任した。まさに叩き挙げでGMへと昇格した。

 

その年のNO1選手を指名

 山田GMはドラフトにおいて、「その年のNO1選手を指名する」方針を示した。当たり前のようにも感じるが、当時はまだ巨人に遠慮するような空気もあり、また単独1位指名への誘惑などもあってなかなかできない事であった。しかし日本ハムは2008年に中田翔選手を指名すると、2011年には巨人原監督の親戚で相思相愛の菅野智之投手を1位指名し衝撃を与えた。

 結局、菅野智之投手にはほとんどあってもらえず獲得できなかったが、2012年にはメジャーへ進むことを決めていた大谷翔平投手を指名、2年連続で1位に穴を空けるかもしれない指名に再び衝撃を与えた。

 しかしここで下着メーカーで優秀な営業成績を残していた山田GMが、大谷翔平投手に対して「大谷翔平君 夢への道しるべ」と題したパワーポイントの資料を作成し、日本のプロ野球の育成がいかに優れているかを説明して説得し入団にこぎつけた。

 これで「北海道日本ハムは指名してくる」という印象を他球団に与えた。そして今年も有原航平投手を指名し抽選の末獲得をしている。

 日本ハムは2008年から2014年までに2度のリーグ制覇を成し遂げた。ダルビッシュ有投手が活躍を見せ、中田翔選手、大谷翔平投手はチームの中心選手になった。

 

今後は

 北海道日本ハムは今日、取締役会を開き、チーム統括本部長を務める吉村浩がGM代行に就くようだ。そして木田勇氏がGM補佐に就任する。

 山田GMはアマチュアスカウト専任の「スカウト顧問」に就任する。叩き挙げでスカウトからGMとなりチームを優勝させ、また、巨人やメジャーなどを恐れずに一番良い選手を1位指名するという「当たり前の事を当たり前に」してくれた山田氏の功績は大きかった。敬意を表したい。

北海道日本ハムファイターズ、過去のドラフト指名 | ドラフト会議ホームページ2014 Draft home page

 

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする
ドラフト会議ホームページ2024 Draft home page

コメント

  1. 「一番良い選手を指名する」
    聞こえは良かもしれないが思考を諦めているように感じられる。
    どの球団も選手をランク付けをするが、自球団の選手と比べ優先順位をつけるものです。
    短絡的な指名では長期的な安定が難しいことは結果が示しています。

    ここでひとつ。
    山田氏が営業職であるなら理解していたはずですが、No.1は一人しかなれないのです。どんなに優秀でも順位がついてしまうのです。組織にとって必要な人材は山田氏の方針では揃わないでしょう。