東京ヤクルト、安楽智大投手の単独指名ならず、交渉権は東北楽天へ

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 東京ヤクルトには淡い期待もあった。当初より有原航平投手と共に最上位評価をしていた安楽智大投手、肘の故障により他球団の評価が下がる中で単独1位指名の可能性すらあった。

157km/hの怪物が

 高校野球で1年生から150km/hの速球を投げ、最速157km/hの速球を投げ、そして球速よりも何よりも2年時に出場した18U世界選手権で、キューバやベネズエラを完封し防御率0.00で最優秀防御率賞を獲得した事で、世界でこの世代でトップクラスの選手として評価された。

 甲子園では2年春のセンバツで準優勝、772球を投げてその後の高校野球での登板過多の議論を発展させ、アメリカでも大きく取り上げられるなど、そういう意味でも注目された投手だった。

 エースの欲しい東京ヤクルトはまた、甲子園にスターを獲りたいという事を口にしていた。安楽投手は人気、実力ともトップクラスでだった。そしてドラフト会議前日まで安楽智大投手の1位指名を公言する球団は無く、単独1位指名の期待も抱かせた。

 

2球団の重複

 怪物・松坂大輔投手は3球団、田中将大投手は4球団、そして安楽智大投手は2球団と高校野球の怪物と言われる投手には以外と指名が多くない不思議がある。安楽投手もひじの故障があったとは言え、阪神、オリックス、福岡ソフトバンク、北海道日本ハムなどが指名を回避していった。

 そして前日に安楽智大投手1位指名を決めていた東京ヤクルトは12球団最初の1位コールに安楽智大投手を挙げた。しかし単独への想いは数秒後に打ち消される。2番目のコールした東北楽天も安楽智大投手の名前を挙げた。東北楽天は前日に「有原か岡本」と安楽投手指名回避の発言をしていた。

 そして抽選、いっても抽選運があったとは言えなかった小川前監督に代わって真中新監督が抽選に挑む。相手は2012年に森雄大投手、2013年に松井裕樹投手の抽選を引き当てている東北楽天・立花球団社長だ。

 2枚のうち1枚を引くもので、真中監督の運が試されたが残念ながら交渉権獲得のくじを手に取る事はできず、強運・立花監督が若々しいガッツポーズを見せた。

 

ハッキリとした受け答え

 安楽智大投手は1年生の時から、これが高校生かという雰囲気を持っていた。体も大きく速球も150km/h、しかしそれ以上にインタビューの受け答えなど、無邪気な高校生という雰囲気は出さずに大人の雰囲気を出していた。

 そして2年春のセンバツでの奮闘、18Uでの輝きと、ひじの故障の発生、チームのいじめ問題、そして上甲監督の訃報、3年間で様々な事を経験し、安楽投手はますます磨かれていった。インタビューでは「ドラフト1位という小さいころから見ていた夢がかなったが、自分自身もっと大きな夢を持っている。その夢に向かって歩んでいきたい」とハッキリと正確に答えていた。

 田中将大投手のようなかわいさを感じさせる投手ではないだろう。しかしチームの大黒柱としての雰囲気を持っている。

 また楽天に強運が舞い降りた。立花社長が右手を挙げた。2球団競合の末に済美・安楽の当たりクジを引き当てた。「体調を整えて。お待ちしております。お待ちしております」と興奮は収まらなかった。

 昨秋には5球団競合の末に松井裕を獲得し、一昨年も2球団競合で森を獲得した。立花社長は11年シーズン中に就任してから、これで3戦3勝だ。「カレーを食べて同じ時計をして同じ靴を履いた」。スーツ以外は1年前と同じ。そして直感が働いたという。「(クジが)2つになったら右が当たり」。そう宣言して抽選箱の前に立ち、3年連続“黄金の右手”で残りクジから交渉権獲得を手にした。

  プロ野球のドラフト会議が23日、東京都内のホテルで行われた。楽天・立花球団社長の右手のガッツポーズを見届けた安楽の表情は、みるみる緩んでいった。「一つ約束を果たすことができました」。自ら持ち込んだ9月に亡くなった恩師、故上甲正典監督(享年67)の遺影を見つめた。

 松山市内の同校で会議を見守った安楽は「ドラフト1位という小さいころから見ていた夢がかなったが、自分自身もっと大きな夢を持っている。その夢に向かって歩んでいきたい」と会見の冒頭で語り、「田中投手がいた昨年に優勝し、去年の日本代表で一緒になった松井裕樹さんもいる。とても強いチームだと思う」と楽天の印象を述べた。

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